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海を翻訳する男、シャマン・ラポガン
海を翻訳する男、シャマン・ラポガン
日付:
2018-02-15

シャマン・ラポガンは、蘭嶼のタオ族の文学作家で、人類学者。島嶼民族科学工作坊の責任者でもあります。シャマン・ラポガンは、実際に体を動かし、生活での実践を通して、タオ文化と海洋哲学を掘り下げ、美しく人の心を動かす文学として表現しました。文学の功績としては、質と量において、タオ族で屈指の作家であり、その作風は緻密で奥深く、素朴で生命力にあふれ、海、トビウオ、伝統的なタオ族の生活の知恵と、現代社会との衝突における悲喜といったことを創作の核としており、台湾で最も代表的な海洋文学の作家です。今までに、呉濁流文学奨や時報文学奨、呉魯芹文学散文奨、金鼎奨など、数々の受賞歴があります。

シャマン・ラポガンは1957年、台湾の南東沖に浮かぶ離島、蘭嶼生まれ。淡江大学フランス語学科卒業後、台北で、様々なアルバイトやタクシードライバーなどを経験。台北で生活していましたが、自分探しの答えが出ないと感じており、1989年に蘭嶼に帰り、10年かけて自身の民族を観察しました。自分を見つめ直したその期間に、漢民族や西洋の人類学者の文献には間違いがあると気付き、自らの民族のため、文字の記録を残そうと決意。国立清華大学人類学研究所(大学院)へ進み、修士号を取得しました。

タオ族であるシャマン・ラポガンが持つ天性の海の遺伝子、その力は先人の物語によって呼び覚まされ、漁や航海技術を学ぶ中で高められていきました。シャマン・ラポガンの作品は、実際の生活から作り出された文学の世界で、深い思いによる文字で台湾原住民の文化がどこへ向かうべきか、また、タオ族の精神と自然を崇拝する態度が表現されています。

最初の著書『八代湾的神話』から始まり、シャマン・ラポガンは今に至るまで、多くの作品を発表。『黒色的翅膀(黒い胸びれ)』『冷海情深(冷海深情)』『海浪的記憶』『老海人』『蘭嶼記事』『天空的目睛』『大海浮夢(大海に生きる夢)』『安洛米恩之死』など、文字により、シャマン・ラポガンは、海を一冊一冊の書籍として、その物語を紡いでいます。

海に対するあふれんばかりの深い思いのほか、シャマン・ラポガンの作品では、タオ族が直面する現代社会での矛盾と存在が描かれており、文学を創作することで、少数のタオ族が伝承していける文字の記録を残すことも期待されています。蘭嶼に住むシャマン・ラポガンは、日の出とともに起き、日の入りとともに休む簡素な生活を送りながら、海の物語を書くことに力を注ぎ続けています。彼は、「年を取ったことで、この人生で、中国語の海洋文学のために何をするべきかということをよく考える」と述べています。

シャマン・ラポガンの作品『大海に生きる夢(大海浮夢)』が日本語に翻訳され、日本で出版された
シャマン・ラポガンの作品『大海に生きる夢(大海浮夢)』が日本語に翻訳され、日本で出版された
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