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陶芸の巨匠、張継陶
日付:
2017-09-18

張継陶は、「釣釉」と「美人酔」という様式で、台湾を代表する陶芸作家です。陶芸における4要素である「火」「土」「釉薬」「形状」を熟知しているだけでなく、伝統的な窯焼きから、多様な姿を見せる鈞窯釉薬の奥義を極めました。こうした釉薬研究の知識をもとに、現代的な手法で観衆に訴えかけます。張継陶の作品は、台湾内外で数多く評価されており、2016年、国家工芸成就奨を受賞しています。

張継陶は1931年、中国大陸・湖南省長沙の生まれ。1948年、国軍兵工部隊の技術士官募集に応じて入隊します。1949年に軍とともに台湾に渡り、南部の高雄県(現在の高雄市)鳳山に居住。兵工学校で40歳まで過ごしたのち、軍退職を決めました。

1971年に軍を退職した後、張継陶は、美術品店を営む友人の勧めで、陶磁器の商売を始めます。後にこれは失敗しますが、この経験で、陶芸への深い興味を抱くようになります。このころ、張継陶は、先輩の陶芸家である林葆家氏と知り合い、アシスタントに名乗り出て、林氏から陶芸を学びます。

その後、師匠とともに開いた合同展覧会で、張継陶は、当時の実践家政専科学校(現在の実践大学)の顔水龍・董事長と謝東閔・校長に認められ、美術科の陶芸教師として招かれて13年務めます。4年後には、中山科学研究院の陶芸部の教師も兼任し、こちらは9年続けました。学習から創作、教育と、張継陶は一歩一歩、陶芸界での地位を築いていきました。

創作の面では、林葆家氏から教えを受けたことで、張継陶の作風は林氏の「芸術の生活化」という概念の影響を大きく受けています。初期の張継陶の作品には、動物群像や、伝統的な形をもとにした、実用的な急須、湯呑、花器、筆立てといった容器があります。幼いころから詩歌を学び、深い文学知識のある張継陶は、達筆で、作品に文字を刻むのを好みます。

1989年、張継陶は、中華民国陶業研究学会の「陶芸貢献奨」を受賞。2004年には、文化建設委員会(現在の文化部=省)から、「台湾経典陶芸作者」に選定され、作品は、国立芸術教育館など、台湾内外の博物館や文化センターに収蔵されています。張継陶の「力争上游」「紅翡緑翠」「牧」といった作品の写真は、文化建設委員会や新聞局、僑務委員会といった政府機関のポスター、カレンダーのほか、英国やフランス、ドイツ、スペインで発行された中国語の専門誌に採用されました。

張継陶は次のように信じています。「陶芸は生活から生まれたものであり、自然と生活に回帰する。生活の質の向上は、日常生活での美学から始まる。伝統芸術でも、現代アートでも、両者は必ず融合でき、全く新しい輝きを放つことができる。美術館や博物館を頻繁に巡って、素晴らしい芸術作品を鑑賞すれば、誰でも自分の美的センスを培うことができる」。

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