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錫工芸の匠、陳万能
日付:
2017-05-22

陳万能は1942年生まれ、彰化県の錫工芸製作で知られる家の出身の工芸家です。一族は代々錫工芸に従事しており、台湾でも数少ない錫器の匠です。陳万能の作品は、日本の孔子廟や高雄の保安宮、省立博物館、宜蘭の国立伝統芸術センター、フランス・パリにある台湾文化センターに収蔵されました。2011年、文化部は、台湾の現代錫工芸の振興と貢献をたたえて、「文化財保存法」に基づき、陳万能を錫工芸の重要伝統芸術保存者に指定しました。

錫工芸の家に生まれた陳万能は、14歳の時から父について錫工芸を学び、確実に技術を身に着けました。1970年代、彰化県の鹿港大街では既に、錫店は姿を消していました。1978年、陳万能は「全国民俗才芸活動」に招かれ、錫器の製作実演を行って絶賛され、このイベントで一番注目のコーナーの一つになりました。これをきっかけに、陳万能は、錫器再生の道に進むことを決断。鹿港大街に「万能錫舗」を開設、伝統的な錫器の製作と改良を続けるほか、創作活動も始め、錫工芸作品の新たな面を引き出しました。

陳万能は、錫器の柔らかい、溶けやすい、黒ずむといった欠点の改善に力を尽くし、実験と改良を続けました。また、はんだや紅銅、青銅、金などの金属と組み合わせて、茶筒や湯呑、花瓶、また、様々な動物や霊獣といった作品を生み出し、各方面から注目されました。2005年、国民党の連戦主席が、中国共産党の胡錦濤総書記(肩書きはいずれも当時)と歴史的な会談を行った際、「手土産」として携えたのが、陳万能の作品、「牡丹鳳凰」「双龍対瓶」「九龍方瓶」で、陳万能の名は中国大陸にも知れ渡りました。

陳万能は伝統技術にとらわれることなく、常に新たな技法を創出し、新たなものを生み出しており、その作品は世間の注目と人気を集めています。また、モチーフについても、廟での祭祀の品だけでなく、クリエイティブに神獣や動物などを創作し、伝統とアートを見事に融合しました。陳万能は長年にわたり、錫工芸では常に、新たなテーマ、新たな形、新たな技法、新たな作品を送り出し続けています。1988年には、教育部の民族芸術薪伝奨を受賞しています。

万能錫舗は、陳万能の創作、展示の場というだけでなく、錫工芸の家系を育む場にもなっています。三人の息子である陳炯裕、陳志揚、陳志昇も、錫工芸の技術を受け継ぎ、製作と研究開発を行い、精力的に創作活動を実施。いわば、代々続く匠の集まる場にもなっているのです。

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